赤ちゃんは超能力者 d01 赤ちゃんは超能力者

赤ちゃんは超能力者

誕生から退院までの当院での赤ちゃんの検査について

赤ちゃんが安全に早く子宮外の生活に適応できるように次のような検査、予防をしています

子宮外生活への適応

生まれたばかりの赤ちゃんは、羊水中の生活から大気中の生活にすぐに適応できる超能力者ですね。
そんな赤ちゃんでも、うまく子宮外生活に適応できるまでには約5日間ほどかかります。
私達は、赤ちゃんがより安全に早く子宮外の生活に適応できるように、そして、お母さまがお家で自信を持って保育していただけるように、次のような検査・予防をしています。

1 生まれてすぐに、赤ちゃんの元気度を調べるAPGAR SCOREを計算します。
2 臍帯血ガス分析を行い、生まれる直前の子宮内環境を調査して、今後の適応に問題が生じないか検査します。
3 奇形の有無等を確認します。
4 聴診器で、肺の膨らみ具合、肺雑音や心雑音の有無を調べます。
5 パルスオキシメーターで、分娩後すぐにうまく適応(水中の生活から大気中の生活に)できるかどうか調べます。
6 生後2時間は新生児にやさしい環境(適切な温度・湿度が保たれた保育器の中)で、再度パルスオキシメーターを使い、肺呼吸の完成度、心拍数の変化、心奇形の有無を調べます。
7 前期破水や膣炎(膣内B群溶連菌陽性)のあるお母様は、臍帯血で子宮内感染の有無を調べます。
8 生後1日目に、超音波検査で頭蓋内の脳室の変形や出血の有無、緊急対応を要する心奇形の有無、腎臓のチェックを行います。
9 新生児の聴性脳幹反応検査(主に聴力検査)を行いますと、感音性難聴の早期発見、神経学的成熟度の判定、脳幹神経障害の診断が可能になります。
新生児における高度難聴児は、日本では出生1000に対して、1~2例といわれています。
現在、公費でまかなわれる検査の先天性アミノ酸代謝異常症の代表格のフェニルケトン尿症は、81000に1例、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)は、5300に1例、乳幼児突然死症候群での死亡例は3300に1例の発生率ですが、難聴児はこれらの病気よりも遥かに発生頻度が高い!のです。
聴覚の異常に気づかずにいれば、発達上の大きなハンディキャップを負わせることになります。早期発見、早期治療開始が大切です。
たとえば、生後36ヶ月の習得語彙数は、正常聴力児の場合平均700語といわれます。聴力の異常に気づかずにいて生後6ヶ月で聴力障害を発見して処置を施した子供は300語、2年で発見した子供は、たった25語位しか習得できません。一方、誕生時に聴力障害を発見して処置を施した子供は約500語も習得できるのです。知能の基礎である言語習得にはいかに早期発見、早期治療が必要かわかりますね。ぜひ、検査を受けましょう。
10 先日を追うごとに、一見正常と思える赤ちゃんでも以下の検査が必要です。
1)黄疸の検査  黄疸が必要以上に強くなれば光線療法や交換輸血をします
2)貧血や多血症の有無を調べます
3)感染症の検査(CRP) 感染症が疑われるようであれば、抗生剤の投与(坐薬、経口、点滴)をします
4)血糖値の測定
5)排尿、排便回数
6)呼吸数
7)体温
8)体重増加
9)哺乳量
などを調べます。時には、新生児にやさしい環境(適切な温度・湿度が保たれた保育器の中)のもとで観察をします。
11 先天性代謝異常症スクリーニングをいたします。

なお現在、9.聴力検査は保険適応にはまだなっておりません。(費用 4000円)