流産・早産の予防 a01 流産・早産の予防

流産・早産の予防

内診や膣炎・頚管炎との関係

最新医学では、妊娠22~28週の早産児のうち体重が1000gを越えた未熟児では、そのほとんどが生存出来るようになりましたが、残念ながら約30%に何らかの後遺症が残るといわれています。やはり、出来うる限り、36週未満の早産は予防すべきですね。最近の研究では、次のようなことが分かるようになってきました。 早産の原因:細菌性膣症 性行為感染症(トリコモナス、カンジタ、淋菌などの細菌感染 無症候性細菌性精液など)

  • 約20%の妊婦さんに、膣の中に細菌を認めます・・・絨毛羊膜炎の最大の原因
  • 膣炎や頚管炎といった炎症があると流産・早産が多くなる。 in USA
    細菌性膣炎のある女性では24~37週に早産する率が2.8倍。
    特に妊娠16週以内に細菌性膣炎のある女性では早産する率が5.5倍

当院では早産を予防するために

むやみな内診は行わず、膣内の細菌検査を適時行い、炎症を早期発見し、治療をすることに努力いたしております。また、早産予防のためには、性交は原則的に禁止です。
特に、おりもの(帯下)の多い方、出血を認める方、頚管無力症の既往がある方、腹緊の強い時などは注意が必要で、膣式超音波検査にて子宮頚管の状態を調べます。また、水っぽい帯下は、子宮口が開大する時に認められますので、いつもより何となくおりものが多いと気など医師にお知らせ下さい。
出産は、お母さまや、お父さまと私たち医療側との綿密な共同作戦が必要ですね。それがうまくいってはじめて、安全で心に残るご出産が出来るものと考えています。そのためにも、ご自分でしっかりと体重管理をしていただき、様々な母親教室にもご参加下さい。

原因となる微生物

弱毒性やほとんど病原性がないといわれているものです
ウレアプラズマ マイコプラズマ ガードネラ
バクテロデス クレブジェラ GBS(B群容連菌)など

膣炎の早期発見、治療について

当院では、妊娠20~23週、34週、37週(分娩時の感染予防対策)の定期検診で膣分泌物の細菌検査を行うようにいたしておりますのでご協力下さい。
膣炎や頚管炎を早期に診断し治療することによって、早産の約50%は予防出来ると言われます。

内診回数について

当院では、妊娠20~23週、34週、37週(分娩時の感染むやみな、内診検査は、早産率を高めるともいわれています。 当院では特別な異常が無い限り内診検査は、必要最小限としております。

  • 妊娠初期に2~3回(子宮癌検診を含む)
  • 妊娠20~23週の中期に1回
  • 妊娠30週よりは定期検診時に毎回行います。
    (子宮頸管長・内子宮口開大度を調べます)