硬膜外麻酔分娩(和痛〜無痛分娩)について

硬膜外麻酔分娩の詳細

分娩の痛みの伝達経路

【図1】分娩・出産の痛みの伝達経路
局所麻酔 ●分娩第1期には、
子宮頸管の拡張と伸展の痛みが交感神経を介して、第10胸髄から第1腰髄のレベルで脊髄へと伝わる。
●分娩第2期には、
膣や会陰部の伸展の痛みが陰部神経を介して、第2から第4仙髄のレベルで脊髄に至る。
このように、分娩の始まりと終わりでは、痛みの伝達路が異なっていますので、完全な無痛を望めば、広範囲の麻酔効果を得るため、より高濃度の局所麻酔薬を使用しなければならなくなります。


【図2】硬膜外腔という場所
硬膜外腔


硬膜外麻酔分娩の開始時期


副作用・合併症予防のためにも、硬膜外麻酔分娩の開始時期が大切です。

一般に、
1.子宮口が、4〜5cm 開大していること
2.陣痛が規則的となり分娩が活動期に入っていること
3.少量の陣痛促進剤でスムーズな分娩が期待される状態であること

という3つの条件が満たされている時が、最適といえます。

※硬膜外麻酔分娩を行う場合は、子宮口が4cm程度に開大して、自然の子宮収縮が少なくとも20分以内に1回あるころから入院するのが理想的です。

初産婦では、腹緊の間隔が30分から10分ごとになるまで6時間以上かかります。初期陣痛自覚の時期は、夜中が多いので、我慢せずに早朝に入院しておきましょう。


硬膜外麻酔分娩の開始時期

1 準備として、絶食をします
2 浣腸をします(すべての患者様に行うわけではありません)
3 麻酔による低血圧を予防するために乳酸加リンゲル液を500〜1000ml輸液します
4 硬膜外腔にカテーテルを留置します
5 胎児への移行が少ない0.25%のブビバカイン(局所麻酔剤)を使用します
特に感覚神経のみの遮断を得やすく、出産・鎮痛に適しています
6 5分間に3回、血圧を測定します
7 分娩監視をします《子宮内圧測定と胎児心拍数モニタリング》
8 必要な場合には陣痛促進剤の適時投与をします
麻酔薬の使用総量を少なくするのに役立ちます

硬膜外麻酔分娩での出来事

  • 硬膜外カテーテル挿入時に、一過性に下肢に電撃様の異常感覚を感じることがありますが、ご心配いりません
  • 限局された部分のしびれ感はありますが、下肢は通常ちゃんと動きます
  • 歩行はできません
  • 適時、導尿をします
  • 分娩進行に伴い児頭の圧迫で直腸周囲の不快感を感じる時があります
  • 通常、腹圧は分娩に必要とされません
  • 子宮の収縮力だけで赤ちゃんはちゃんと出てきます
  • 努責が必要な場合には、陣痛とともに感じる圧迫感を目安とします
  • 会陰部の切開や裂傷縫合には、麻酔を必要としません
  • 分娩後すぐにカテーテルを抜き去りますので、分娩の約6時間後には歩行出来るようになります
  • 麻酔のために出血が増えたり、胎児が仮死になることはありません

硬膜外麻酔分娩の目的硬膜外麻酔分娩の利点硬膜外麻酔分娩の詳細確認事項

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